社会システム理論 ニコラス・ルーマン著、入荷いたしました。
社会システム理論上下巻 ニコラス・ルーマン(著) 佐藤勉(訳)
社会学の世界にあってパーキソン亡き後一般的な総合理論は構築されておらず、科学技術の進歩による人間社会の変化が顕著な昨今、一書をもって社会を説明するのは難業である。豊穣多産なルーマンはあえて挑み現代社会の理論成果として本書により金字塔を確立した。
訳者あとがきでは、本書は二十世紀の理論社会学の到達点を明示し、二十一世紀の社会学理論の指針となる「問題の著作」であると語り、ルーマンは社会学の狭い枠を飛び越え、社会思想の展開過程を踏まえ、同時に現代哲学や科学理論の動向に止目して、社会システム理論のメタ理論を構成し、それを前提として実質的な社会論理の構築を進めており、さらにそれを手がかりとして現代社会について理論的考察を試みている。ただし、人類の知的遺産を正当に受け継ごうとする理論であることに注目し、社会学の伝統的に重要な諸問題に対して社会学を含む科学全体の発展に即応してアプローチしていると述べている。