森鷗外関連の書籍を、入荷いたしました。
左:鷗外文芸の研究 中年期 清田文武著
右:増補版 森鷗外・母の日記 山崎國紀編
・鷗外文芸の研究 中年期 清田文武著
鷗外文芸の基盤の特質を影響論的に究明した一冊。わが国における近代文学史において文豪森鷗外は所謂「文壇再活躍時代」、博大な学殖を駆使て鬱然たる文学の森を成したが、本書はその背後にある詩・作家・思想家との関わりを究めることにより鷗外の精神を聞明しようとした長期的研究構想の一篇。小倉時代から明治44年に至る時期の活動と作品を対象に、作家への影響の視点から肉迫した。
・増補版 森鷗外・母の日記 山崎國紀編
明治32年から、大正4年に至る17年間の母峰子の「日記」を初めて全面的に公刊。この「日記」の特質の一つは、冒頭からの起筆がそうであったように、母峰子の愛息鷗外への関心と愛情に貫かれている。文芸誌を意欲的に読み、頻繁に観劇に通い、文人たちとの交友があった峰子が、いかに前に向かって生きているかを感じ取れる。本書は、森鴎外にとって絶対的な存在者であった母の貴重かつ歴史的な記録となっている。