文明のなかの博物学上・下巻、入荷いたしました。
左から、文明のなかの博物学 西欧と日本 上・下巻 西村三郎
・文明のなかの博物学 西欧と日本 西村三郎
西欧と日本は近世ともに博物学においてめざましい展開をし、博物趣味の大流行という現象を共有した。ユーラシア大陸の東西の端を占めるこの両地域で、それぞれ独立に、類似したひとつの文化ないし社会現象が生起。文明におけるパラレリズムとも称すべきこの歴史の事実を、地球・世界的・世界史的スケールで比較し、文明論的に考察した。
博物趣味の興隆と流行は、一歩、内面=精神史的な内実面にまで立ち入って検討してみるならば、その外面的共通性・類似性にもかかわらず、じつは想像以上にに異質なものである。まるで異なる精神の上に築かれ、そして顕現した事象であったことを、私たちは知らされる。この相違が両地域の博物学のその後の運命を大きく変えることになった基本的性格の違いとは、江戸博物学後に来たものとは…東西両博物学の比較精神史の試みの一書となっている。