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阿部謹也著作集

1999-2000年 筑摩書房

阿部謹也(1935~2006年)はドイツ中世史を専攻する日本の西洋史学者。
中学時代のカトリック修道生活経験から西洋中世史の研究を志すようになり、一橋大学で上原専禄に師事します。その後、増田四郎から指導を受けました。
ドイツへの留学は阿部を奮い立たせ、ゲッティンゲン古文書館での14世紀から16世紀の古文書群はドイツ中世史の再構築を迫ります。また名著『ハーメルンの笛吹き男』でまとめられるように、伝説を歴史学のなかへ位置づけるという民衆史を確立させ、中世ヨーロッパの賤民へ目を向けます。
『中世の窓から』を筆頭に阿部の大衆読者向けの書物の多くは非常に読みやすく「中世史ブーム」を起こしたほどでした。晩年は「世間」という概念に注目し、ヨーロッパから日本社会を見直すような著書を発表しました。
有名な話ですが、阿部は『中世の再発見』にて日本中世史研究の代表的なひとり網野善彦と対談し、家族ぐるみの付き合いをするほど意気投合しました。それはかれらの学問の内容から見ても非常に自然なもののように思えます。

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