埴谷雄高全集を入荷いたしました!
1998年 講談社
埴谷雄高は1909年(明治42年)台湾新竹に生まれます。植民地支配をしていた日本人の子どもとして台湾に置いて強い罪悪感を覚えたことから、埴谷の思想は始まります。青年期、埴谷は個人主義的アナキズムに惹かれ、またレーニンを伝いマルクス主義に接近して日本共産党へ入党します。党の活動に従事するも32年逮捕され、獄中で影響を受けたカントとドストエフスキーは、埴谷へ思想的に決定的な意味を与えました。来歴は未完に終わる形而上的思弁小説である『死霊』にすべて注がれてゆきました。
本全集を講談社は「21世紀へ託す〈精神のリレー〉の大きなバトンとなる埴谷雄高全集」と自負しておりますが、彗星のように読者は埴谷の作品を通過してゆくのだと思います。