在庫書籍紹介「伊藤若冲大全 Jakuchu」

伊藤若冲大全

伊藤若冲大全 Jakuchu

京都国立博物館編 小学館 2005年

 

大胆で華やかな作風が特徴である、江戸時代の画家・若冲。

1700年代の江戸時代に活躍した画家で、勿論芸術として研究はされていましたが、実はごく近年まで大きな評価をされることなく、専門家のみが知る異端派の画家と認識されていました。
若冲が注目され始めたのは1990年代になってから。超絶な技巧と作品の独自性に、一部の美術史家・美術愛好家たちが目をつけ始めます。
没後200年となる2000年、それを記念した展示が京都国立博物館にて行われたのをきっかけにさらに人気が広まり、2006年東京国立博物館の「プライスコレクション『若冲と江戸絵画』展」も大成功。これはアメリカ人収集家ジョー・プライスのコレクションから成る展覧会だった為、評価の逆輸入的面白味もありました。
2016年に東京都美術館にて開催された「生誕300年記念 若冲展」では40万人以上の記録的動員数となり、21世紀になってついに、この江戸時代の画家へ注目が集まりました。

生前の若冲は高い評価を受けていたという記録が残っていますが、その後は近年まであまり注目されていなかった理由に、わかりやすく主だった流派に所属していなかったことが挙げられます。
40歳で隠居し独学で画の道を歩み始めた若冲は、狩野派に師事したのち宋元画の模写へ進み、最終的には実物写生を行ったとされています。どこの流派にも属さず、ほかに類を見ない作風のためある種異端とされており、専門家の研究止まりになっていた面があるようです。
昭和45年出版された辻惟雄「奇想の系譜」により再評価され、「奇想派」と称されるようになり、これが近年の若冲ブームの駆け出しだったとされています。

2000年の没後200年伊藤若冲展の図録を大改訂したのが、コチラの書籍。代表作が網羅され、展示できなかった作品や展覧会後に発見された作品も含み、200点に及ぶ作品が完全収録されています。作品は可能な限り新撮し、細部も詳細に収録。出版社が自信を持って「伊藤若冲決定版画集」としている、非常に見応えある画集です。

 

https://www.kosho.or.jp/products/detail.php?product_id=461152194


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