「白鯨(フランクリン・ライブラリー)」を入荷いたしました。
1985年 フランクリン・ライブラリー
メルヴィル(1819-1891)
アメリカの小説家、詩人。
ニューヨーク市マンハッタンのパール街6番地に貿易商の第3子として生まれる。両親とも古い家柄を誇る名門の出。商売に失敗した父は、1832年莫大な負債を残し精神錯乱のうちに病死し、メルビルは12歳で中途退学し、不況下さまざまな職を転々とし、僻地の小学校で代用教員を勤めたこともある。また小説の習作を手がけ、失恋したり、衝動的な放浪の旅に出たりと奔放な人柄であった。
本書「白鯨」は、実際に捕鯨船に乗船して捕鯨に従事した著書の体験をもとに創作され、約1年数か月を費やして発表された作品です。難解な作風が多く、一部の愛好者を除いて無視され続けていたメルヴィルの作品。本書も当時は著書が期待したほど評判にはならず、死後30年を経た1921年にやっと再評価の動きが起こります。いまではアメリカ文学を代表する名作、世界の十大小説の一つとも称される本書は哲学的瞑想を随所にちりばめた叙事詩的大作になっています。