飯田利行『定本湛然居士文集譯』を入荷いたしました。
1985年 国書刊行会
耶律楚材(1190~1244)。モンゴル帝国初期の功臣。号は湛然居士。遼の王族出身で金に仕えていた。モンゴル軍の占領に伴いチンギス・ハンへ降り政治顧問となる。漢文文書の作成などを担当し中国統治の中心的な人物であった。中央アジア遠征へも従い『西遊録』を遺している。天文、地理、数学、医学、儒教、仏教、道教などと様々な学へ通じ、そのなかでも詩人、文人として優れていた。子の鋳も詩人として有名である。
本書は日本翻訳文化賞、仏教伝道文化賞を受賞した作品で、飯田利行が手がけました。飯田は仏教学者、音韻学者として知られていますが自身も曹洞宗僧侶であり、全長寺住職や總持寺顧問を務めた経歴を持っています。
耶律楚材の文人としての一面を惜しみなく堪能できる一冊です。