『フランコと大日本帝国』を入荷いたしました。
フロレンティーノ・ロダオ著 深澤安博 ほか訳 晶文社
フランコ(1892~1975)はスペインの軍人、右派国民戦線軍指導者です。1936年から死去まで独裁政権を築きました。アサーニャを大統領とする人民戦線政府へ反対していた右派諸勢力がフランコのモロッコでの軍事蜂起を契機に反乱が勃発し、内閣を総辞職へ追い込んだスペイン内乱の後、フランコは国家元首としてファランヘ党を中心とした独裁政権を樹立しました。第二次大戦中は中立を保ち、戦後には対米接近策をとり、47年には終身統領となる。69年には後継者としてブルボン家のフアン・カルロスを指名し、75年の死去に伴いカルロスが即位し王政が復活した。
内戦に勝利したフランコ政権は日本賛美を表明しましたが、太平洋戦争終局面では対日宣戦布告寸前まで迫るなどスペインと帝国日本との関係には謎が多いです。スペイン政府の協力のもとに構築された日本の対アメリカ諜報網やアジアへの日西両国の利害錯綜など第二次大戦下の日本とスペインの外交交渉史がこの一冊に明らかにされています。