!!ヴィーコ『新しい学』(法政大学出版局)を入荷いたしました!!
2007年 ヴィーコ著 上村忠男 訳 法政大学出版局
ジャンバッティスタ・ヴィーコ(1668~1744年)はイタリアの哲学者です。
ナポリの貧しい本屋に生まれ、転落事故にあったのち憂鬱な人柄になり学校になじむことが出来ず自学自習で哲学や文学、歴史学、法学、自然学などを学ぶ。青年期に家庭教師として雇われたとき、その家の書物から大きな影響をうけた。その後王立ナポリ大学の修辞学教授になる。1725年に本書『新しい学』を出版するが、費用の調達に失敗しダイヤの指輪を処分したり、原稿の分量も削っての出版となった。
反デカルト学説や歴史哲学は当時としては革命的なものであったが、大きな反響は得られなかったといいます。モンテスキューやハーマンなどもかれに触れることなく、ヘルダーが若干ヴィーコへ筆をとりました。19世紀にベネディクト・クローチェが本格的な研究を行い、その評価が検討されました。日本では和辻哲郎や清水幾太郎が積極的に紹介を試みました。
本書は叢書ウニベルシタスより新訳で出版されました。デカルトの科学主義へ対立し、歴史の価値に光を当てた名著は圧巻です。