『百貨店の文化史 日本の消費革命』を入荷いたしました。
1999年 山本武利 ほか編 世界思想社
明治から戦前にかけて華士族から旧中間層・新中間層、労働者や農民層へ消費文化が拡大していったことを「消費革命」ととらえ、本書は日本の近代化や日本人の思想や行動への影響を問い、「百貨店史」の視点から消費革命の実相へ迫ってゆきます。百貨店は多様な販売戦略、広告戦略のちからで流行現象をつくりだし、日本人の消費文化、ライフスタイルを変革させる大きな担い手であり続けています。そうした百貨店を主体に扱った本書はとても珍しい書物です。
またメディア史、社会史、経済思想史、デザイン史、建築史など様々な専門知が凝縮していることも特徴です。巻末に資料としてあげられている百貨店関係の単行本、逐次刊行物、戦前期商業・デザイン関係逐次刊行物のリスト、主要百貨店年表は見ごたえ十分で、資料としての価値も高いです。