古本の保管方法と劣化する原因!適切な管理で長持ちさせるコツ
古本はとてもデリケートなものです。長い時間をかけて味わいを増していく一方で、適切に保管しなければ劣化が進んでしまいます。紙の黄ばみ、カビ、インクの色褪せなど、知らぬ間にダメージを受けてしまうことも。
本記事では、古本が傷む主な原因と、それを防ぐための効果的な保管方法をご紹介します。大切な本を美しい状態で長く保つために、ぜひ参考にしてみてください。
古本が劣化する主な原因
古本は適切に保管しなければ、湿気や温度変化、日光、虫食いなどの影響を受け、劣化が進みます。ここでは、主な原因について解説します。
湿度とカビ
湿気が多い環境では、紙が水分を吸収しやすくなり、カビが発生しやすくなります。特に湿度60%以上ではリスクが高まり、紙にシミができたり、ページが波打つこともあります。一方、湿度が低すぎると紙が乾燥し、脆くなり破れやすくなります。
温度変化と高温環境
急激な温度変化や高温環境は、紙や製本の接着剤にダメージを与え、ページの劣化や背表紙の割れを引き起こします。特に、温度が高すぎるとインクの退色や紙の変色が進みやすくなります。
直射日光
直射日光や強い照明の光は、紙やインクにダメージを与え、色褪せや黄ばみの原因となります。特に紫外線は、長時間当たることで紙の繊維を弱め、劣化を加速させます。
虫食い
古本には、紙を食べる虫が発生することがあります。特に湿気の多い環境ではシミ(紙魚)やチャタテムシが発生しやすく、本に穴を開けたり、表面を傷める原因となります。
古本の正しい保管方法
古本を長持ちさせるためには、適切な環境を整えることが重要です。以下に、具体的な保管方法を紹介します。
湿度と温度の管理
古本の理想的な保管環境は、温度15〜20℃、湿度50%前後です。湿度が高い場合は、除湿機や乾燥剤を活用し、低すぎる場合は加湿器を使うとよいでしょう。
また、急激な温度変化を避けるために、エアコンや扇風機を利用し、安定した環境を維持することが大切です。
直射日光を避ける
本を紫外線から守るために、直射日光の当たらない場所で保管しましょう。カーテンやブラインドを利用したり、ブックカバーをかけたりすることで、さらに劣化を防ぐことができます。
虫食い対策
本棚の掃除を定期的に行い、ホコリを取り除くことで虫の発生を防げます。また、本棚に防虫剤を置いて湿気を防ぎましょう。
本の収納方法
本を立てて収納する際は、適度な隙間を空け、押し込みすぎないようにしましょう。ぎゅうぎゅうに詰めると、本が変形したり、取り出す際に表紙や帯が傷んだりする原因になります。本棚は通気性の良いものを選ぶと、湿気対策にもなります。
保護材の活用
大切な本は、透明なビニールカバーや布製のカバーをかけると、ホコリや汚れを防げます。また、長期保管する場合は、厚紙や緩衝材を挟んでおくと、ページの折れや摩耗を防ぐことができます。
以上のポイントを守ることで、古本の状態を保つことができます。
おすすめの保管テクニック
古本の劣化を防ぐために心強いアイテムとして、「グラシン紙」というものがあります。グラシン紙は、薄くて透明感のある特殊な紙で、本の保護に適しています。特に、紙やインクを長持ちさせたい場合に有効です。以下のような効果があります。
①黄ばみや汚れを防ぐ
グラシン紙は酸を含まないため、本のページや表紙が酸化して黄ばむのを防ぎます。また、手の皮脂やホコリが付着するのを防ぐため、清潔な状態を保てます。
②摩擦や傷から保護する
本を何度も開いたり、他の本と重ねて保管すると、表紙やページが擦れて傷つくことがあります。グラシン紙を挟むことで、紙同士の摩擦を軽減し、ダメージを防げます。
③インクの写りやくっつきを防ぐ
印刷されたページが長時間密着していると、インクが移ったり、くっついたりすることがあります。グラシン紙を挟むことで、ページ同士が直接触れないようになり、印刷の劣化を防ぎます。
④カビの発生リスクを低減
グラシン紙は通気性が良いため、湿気がこもりにくく、カビの発生を抑える効果があります。ただし、完全に防げるわけではないので、適切な湿度管理も重要です。
貴重な本や大切に保管したい本には、グラシン紙を活用すると、劣化を防ぎながら長く楽しむことができます。
古本を段ボールで保管するときの注意
段ボールに本を詰める際は、背表紙を下にして平積みするか、立てて収納します。背を上にして入れると、上からの重みで歪む恐れがあるため、平積み状態で保管しておくことを推奨します。
大量の本を収納・保管する際のポイント
本が増えすぎると、「読みたい本が見つけづらい。」「保管スペースが確保しづらい。」などの問題も出てきます。そのようなときは、以下の方法を活用し、効率的に本を収納しましょう。
- カテゴリーごとに整理…ジャンルや使用頻度別に整理し、必要な本をすぐ取り出せるようにすると、無駄なスペースを減らせます。使用頻度の低い本は上段、頻繁に読む本は手の届く範囲に配置しましょう。
- 本の向きを工夫する…平積みよりも立てて収納するほうが、スペースを有効に使えます。さらに、縦置きした場合に上にスペースが出来るので、横置きすることでスペースを有効活用できます。
- 防虫対策を行う…防虫剤などを置き、虫を寄せ付けないことで本の劣化を防ぎましょう。特に湿気の多い場所ではシルバーフィッシュ(紙魚)やダニが発生しやすいため、防虫剤のほか、除湿剤を併用するのも効果的です。防虫剤は本に直接触れないよう、適切な場所に設置することが重要です。さらに、定期的に本棚の掃除を行い、ホコリや虫の侵入を防ぎましょう。
保管場所がもう本でいっぱい!そんな時は…
自宅に十分な収納スペースがない場合、次のような手段で解決することができます。
- 貸し倉庫(トランクルームやレンタル倉庫)を利用する
- 図書館やカフェ、児童養護施設などに寄贈する
- フリマアプリなどに自ら出品する
- 古本屋に買い取ってもらう
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本を上手に保管するために
今回は、本が劣化する原因をはじめとして、保管方法や収納の工夫、大量の本を整理する際のポイントなどをご紹介しました。
収納場所が限られている場合は、保管場所を増やしたり、施設への寄贈や買取サービスを利用するといった手放し方も有効です。
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