劇的な精神分析入門、ほか新入荷本
『劇的な精神分析入門』北山修/著 2008年 みすず書房
今日、精神分析の臨床は、患者やクライエントの症状の意味を分析することから、人が生きることを共に考え、そして失敗することへとその力点を移している。意識と無意識、外と内、人間と動物、日本語と外国語、大人と子ども、普通と普通でない……〈私〉を分かつ社会の二分法や二重性をこえて、〈私〉が本来の在り方を確保するために〈私〉の心の台本に気づき、読み取り、かみしめること。かつては舞台人として楽屋を愛した著者の、独創的で体験的な〈私〉の時代の精神分析論。
『思い上がり ひねくれ わざとらしさ 失敗した現存在の三形態』L.ビンスワンガー/著 宮本忠雄/監訳 関忠盛/訳 2000年新装版 みすず書房
本書は、分裂病者が与える印象の記述から現象学的経験という広い地盤へと考察をすすめる。「思い上がり」「ひねくれ」「わざとらしさ」という分裂病者の「失敗した現存在」の側から人間の特有な三様態を綿密に論考する。特定の分裂病性個別症状に端緒をみながら、再び現存在様態やその変遷を照射。精神医学の枠を超えた独特の魅力を持つ。
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