漱石文学の研究 表現を軸として
『漱石文学の研究 表現を軸として』相原和邦/著 1988年 明治書院
伝記的研究や、作家としての営為の追跡を作風の変化の指摘につなげる作家論など様々な研究のアプローチの角度を有する日本近現代文学に対して、著者は文学研究の基本である作品を主軸とした、作品世界の構造と特質を明らかにしていくアプローチに立ち返る。使用語句、文の構造的特徴、描写、全体的小説構造などを含めた「表現」に着目し、一つ一つの他に置き換えることができない固有の世界と性格を有する作品群に対して演繹的な裁断ではなく機能的な裁断を持って作品世界の文学的特質に分け入ってゆく。「文体の形成」からはじまり、『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『草枕』等の初期の作品から『道草』『こゝろ』『明暗』に至る晩年の作品まで、その文学性を探求していく。
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