江戸の病と養生、ほか新入荷
『絵で読む 江戸の病と養生』酒井シヅ/著 2003年 講談社
江戸の人々は、暮らしのなかで病とどのように付き合い、癒し、命を守ったかのか。医学史研究の第一人者が、錦絵などの絵画資料を通して江戸庶民の生活を明らかにする。
絵はことばでは見えなかった情報を豊かに伝えてくれる。たとえば、病人を描いたものでは、病人の困惑した顔や、家族の病人へのいたわり、驚きのさまが描かれている。この病の多くは現代では簡単に治る病気であり、それがこんなに重くのしかかっていたのかという思いと、現代では、病気への畏れを忘れているから糖尿病など生活習慣病がはびこるのだという思いが去来する。
『節供の古典 花と生活文化の歴史』桜井満/著 平成5年 雄山閣
日本人の伝統的な年中行事である「節供」は、古来から稲作を中心とした生活の歴史の中で、神を迎えまつる「時の花」として種々の花をはぐくんできたのである。これらの花と日本人の生活とのかかわりを、万葉集、古事記、古今和歌集、仙伝抄などから、さまざまな民俗学的成果の中にさぐっていく。